借地権に建つ古家を相続された方から

ご相談を頂きました。

 

 

旦那さんが亡くなられて、相続された80歳近いおばあちゃんが、

築40年を超えて家も古くなってきたけれど修理代もない。。。

 

近所には痴呆が入っているであろう変わったおじいちゃんが

住んでいるので、引越しをしたい。

 

隣も同じく借地におばあちゃんが一人で住んでいたけど、

現在は施設に入っていて空き家。。。

 

日頃から空き家・古家再生の活動をしていますが、

空き家が生まれる実態はこういうところにあるのかもしれません。

 

当初築年数から考えて、旧借地権だと思い、

私が引き取って賃貸住宅として再生しようと思ったのですが。。。

 

元々この土地は、法人が一括で借りて、社員の福利厚生として

土地を貸し、そこに6人の社員さんが自分で家を建てていたそうです。

 

ところが、ある時その会社は傾き、社員は地代を払っていたのに

会社は地代を滞納。。。

 

その後、会社は倒産。。。

 

地代を滞納していたのですが、建物の所有者さんへの救済措置ということで

地主さんは土地を区画に割り、私道を市へ寄付して、

各建物の所有者さんへ借地の契約をしていたのです。

 

でも実は、亡くなられたご主人がこの一連の流れを知っていても、

相続されたおばあちゃんは知らない事実。。。

 

契約年月日がおかしいと思い、

私がこの時仲介した不動産屋さんに聞いて発覚したのです。

 

うーん、この借地権は旧借地権か新借地権かどっち??

 

■旧借地権・新借地権の違いはこちら!

 

弁護士にも相談しましたが、今ある資料だけでは

旧借地権か新借地権か判断がしずらい。。。

 

でも裁判などになった場合は負ける可能性が高い。。。

 

この事実を相続されたおばあちゃんにお伝えしたところ、

「解体費用がないからそのまま置いておく」

と言われました。

 

でも地代・税金で年間20万円近いお金が掛かるわけで、

残りの契約期間は7年あるので、単純に140万円掛かります。

 

「7年間地代や税金を払ってもどっちみち解体しなければいけないなら、

息子さんや娘さんに相談して、今解体したら?」

とご提案させて頂きました。

 

解体業者を手配させて頂き、間もなく解体。。。

滅失届けまでお手伝いさせて頂きます。

 

何だか寂しく最後に建物の写真を撮ってきました。